トレーラーハウスの償却期間と耐用年数

2021年1月21日

今回は、トレーラーハウスの償却期間と耐用年数について話してまいります。トレーラーハウスは車両であるため、耐久性や償却期間について気になっている方は多いことでしょう。これらについて懸念している方へ、分かりやすく解説してまいります。(本文中の「償却期間」は法的耐用年数を指し、「耐用期間」はいつまで使用できるかという物理的耐用年数となります。)

Agenda

①トレーラーハウスの構造
②トレーラーハウスの仕上材
③償却期間
④耐用年数(物理的耐用年数)
⑤スタイルキャビンの性能

①トレーラーハウスの構造

トレーラーハウスは、平成25年日本建築行政会議にて、「車両を利用した工作物」と定義されています。よって、トレーラーハウスのつくりは、大別して「車両(シャーシ)」と「工作物(上物)」2つに分けられます。シャーシは、タイヤのついた構造物であり、工作物の重量を支えるために、丈夫な鉄骨造となっています。

また、上物については、「木造」と「軽量鉄骨造」の2種類の構造形式があります。車両の大きさの制限については、別記事の「トレーラーハウスのサイズ」にてお話ししたとおりですが、そのなかで、道路運送車両法の保安基準にて規定された重量以下とする場合には、構造形式に注意がする必要があることをお伝えしておきます。

みなさまもご想像のとおり、軽量鉄骨造の方が重量としては圧倒的に軽く、特に車両が長い場合については、軽量鉄骨造でないと重量制限以下とすることができないケースもあります。
但し、車両の長さが短い場合については、木造でも十分に制限重量以下とすることはできます。

また、軽量鉄骨造と木造の場合には、上物の壁の厚さが大きく違ってきます。軽量鉄骨造の場合は、壁厚は約10cm程度とすることができますが、木造の場合は約15cmとなります。車体の幅も制限対象となっていますので、両側で10cmの壁厚のロスになるケースもありますので、注意が必要です。

なお、コスト観点では、木造と軽量鉄骨造では、ほとんど差異はありません。

あとは、発注者様の方で木造にこだわりたいという思いをお持ちの方もいらっしゃることと思います。シャーシから上物を木造中心の作りとし、自然素材中心のトレーラーハウスにすることもできますので、いずれの構造形式でもそれぞれのメリットがあるということとなります。

また、耐久性という面では、軽量鉄骨造も木造も差異はありません。但し両者に共通していることとしては、車両ですので、動かすことが前提のため、通常の建築よりも構造材を多く必要とするという点です。

②トレーラーハウスの仕上材

トレーラーハウスは、動かす際の耐久性を考慮する必要があり、仕上材もその制限を受けることとなります。特に、割れやすいものについては、注意が必要です。
具体的には、タイル、ガラスなどです。一般的に、建築でも、大判のガラスや大判のタイルは、豪華さや高いデザイン性を創出する際に選定されることの多い材料になりますが、トレーラーハウスではそれらの素材を使用することは難しいでしょう。
そのため、タイルやガラスについては、一定のサイズ以下のものとなり、開放性の確保、高いデザイン性の確保という観点では、表面的な素材だけでなく、デザイン上の整理作業が重要となります。

③償却期間

㈳日本トレーラーハウス協会では、トレーラーハウスの償却期間は4年と定義されています。一方で、会計事務所や税理士の見方によっては、トレーラーハウスを構成するシャーシ(車体)と上物(空間)で分けて考えられる方もいて、上物については簡易建築物として7年とみられるケースもあります。一般的には、4年とご判断されるケースが多いでしょう。

④耐用年数(物理的耐用年数)

耐用年数という観点では、違った見え方があります。車体は、タイヤ及び丈夫な鉄骨でできていますので、タイヤがパンクしたりすり減ったりしないかぎりは、丁寧に扱うかぎりは、耐久性は15年以上あるという認識で問題ないでしょう。
また、上物については、シャーシの上に積載された工作物との定義ではあるものの、つくりとしては一般建築とほぼ変わらないかたちとなります。そのため、上物についても、耐久性は15年以上あるという認識でも問題ないといえます。最も耐久性という面で注意が必要なのは、室内にスペックする設備です。エアコンやキッチン、トイレなどの家電製品や住宅設備は、それぞれ使用による劣化を免れないため、こちらは定期的なメンテナンス、場合によっては交換が必要となることも注意が必要です。

なお、トレーラーハウスの設置地が、海際で潮風にあたるなどの過酷な環境下では、鉄骨のさび止め塗装や金属も劣化する可能性がありますので、こちらも注意が必要です。

⑤スタイルキャビン(エリアノ製トレーラーハウスの性能)

エリアノでは、できるだけ長く事業者様に安心して使用いただくこと、またエンドユーザー様にも継続的に快適な環境を提供することを第一に、デザインと仕様選定、設計、製造にあたっています。
エリアノのスタイルキャビンでは、耐久性は、使用及び性能上の耐久性だけでなく、コンセプトやデザインの耐久性についても大変配慮しています。

使用及び性能上の耐久性について

主に軽量鉄骨造とすることで、構造的な安全性を確保し、また、素材についても、壊れにくくかつ見た目のよい素材を選定することを心がけています。また、設備についても、それぞれの耐久性に配慮して選定し、使用上でも長くお使いいただける製品を選定することを心がけています。一級建築士によるこだわりのデザインというのは、そうした細かい配慮があることの証明となります。

コンセプトやデザインの耐久性について

コンセプトやデザインにも耐久性があります。作った当時が最新であっても、数年後に飽きられてしまっては、大変もったいないことです。よってエリアノでは、ヒアリングを丁寧に実施させていただき、お客様が抱えられている課題の本質について理解することを重視しています。また、社会の大きな流れについても理解し、それらを統合して企画化することにより、コンセプトやデザインの耐久性を高めることができるものと考えています。

スタイルキャビンは、上記を統合してこだわりぬいて作られた、最高のプロダクトです。

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長期間活躍できるトレーラーハウスの導入を心がけていただき、トレーラーハウスライフ、トレーラーハウスビジネスを楽しんでければと願っています。

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